京文化の熟成は、日本庭園や寺社仏閣のみならず、風流を嗜む「みやこびと」が織りなす花鳥風月の宇宙にあります。その雅は、裏路地にある一軒一軒の町家にも染みこんでいます。
京都には、今も年間5000万人以上の人が訪れます。旅人は歴史の趣きに想いをはせ、遙か平安京の雅を追憶する。だが、「雅の都」それは京都の表向きの顔に過ぎないのかも知れません。
古都という言葉から連想される都市は、奈良、鎌倉、金沢など日本全国に多数ありますが、歴史と伝統と、王朝文化に代表される華麗でたおやかな京都は、日本の中でも「心のふるさと」だと感じられる場所なのです。